簿記3級は簡単だと聞いていたけど、落ちてしまった
難しくて、勉強が全然進まない
簿記3級(ネット試験)に1週間で合格した筆者の「にゅう(@newnew_777)」が、そんなお悩みに応えます!
本記事では、簿記3級で特につまずきやすい3つのポイントとその対策を紹介します。
読んでいただければ、つまずきが解消され、合格率が上がります。
- 初学者がつまずく3つのポイントが分かる
- 専門用語が理解できない
- 仕訳を苦手としている
- 時間が足りていない
- 合格率を上げる3つの対策が分かる
- 難しい用語は置き換える・割り切る
- 仕訳は簡単な用語のホームポジションを意識し、演習を積む
- 時間不足は頻出分野を押さえ、解く順番を工夫する
- 実際にテキスト・問題集の使い方が分かる(具体例あり)
私は、実際に1週間で簿記3級(ネット試験)に合格しています。
以下ツイートのとおり、勉強開始は2022/4/13で、合格は4/20です。
本記事では、この経験を生かして作成しました。
効率的な勉強により短期間で合格できることは、実体験を以って確認しています。
ですから、本記事に書いてあることを念頭において勉強してもらうだけでも、合格に近づくと思います。
なお、1週間で受かった勉強法を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
それでは、是非一緒に合格を勝ち取りましょう!
初学者がつまずく3つのポイントとその対策
簿記3級の勉強を始めて、「意外と難しい」と感じる方も多いと思います。
それもそのはずで、簿記3級の合格率は50%程度で受験者の半分が不合格になります。
参考までに、合格率を掲載しておきます。
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
160(2022.2.27) | 44,218人 | 22,512人 | 50.9% |
159(2021.11.21) | 49,095人 | 13,296人 | 27.1% |
158(2021.6.13) | 49,313人 | 14,252人 | 28.9% |
157(2021.2.28) | 59,747人 | 40,129人 | 67.2% |
156(2020.11.15) | 64,655人 | 30,654人 | 47.4% |
ネット試験(21.4~12) | 140,764人 | 58,724人 | 41.7% |
ネット試験(20.12~21.3) | 58,700人 | 24,043人 | 41.0% |
このデータからもお分かりいただけるとおり、決して簡単な試験ではありません。
同じ3級でも、FP3級の合格率70%~90%に比べて、かなり低いことが分かります。
それでは、合格率が低くなる原因は何でしょうか。
初学者の方がつまずくのは、主に以下3つのポイントです。
- 簿記特有の専門用語が理解できない
- 配点の大きな仕訳を苦手としている
- 時間が足りていない
これからこの3つのポイントとその対策を紹介していきます。
【つまずき①】簿記特有の専門用語が理解できない
完全な初学者の方が、簿記の勉強を始めて最初につまずくポイントが「専門用語」でしょう。
資産・負債・純資産・収益・費用がある。
売掛金は資産で、買掛金は負債で。。。
あぁ、難しい!!
電子記録債権って何だろう?
とりあえず検索して調べてみよう。
あぁ、時間が足りない!!
これまで経理や会計業務の経験がない方は、出てくる用語をいきなり理解することが難しいです。
正直に言えば、専門用語の完璧な理解は3級に合格するよりも遥かにレベルが高いです!
例えば、電子記録債権という用語を例にとってみます。
テキストでは完全に理解できず、以下の詳しい定義を調べたとします。
電子記録債権は、手形・指名債権(売掛債権等)の問題点を克服した金銭債権です。
電子記録債権の発生・譲渡は、電子債権記録機関の記録原簿に電子記録することが、その効力発生の要件です。
(出典)https://www.densai.net/about/academy/origin/
これをご覧になって「なるほど、これが電子記録債権か!」となるでしょうか?
以下のように、新たな疑問が湧いてくると思います。
- 手形・指名債権にどんな問題があるのだろう
- 金銭債権とは何だろう
- 効力発生の要件とはどういう意味だろう
詳しく調べれば調べるほど、細かい用語が出てきて余計に分からなくなります。
つまり、完全に専門用語を理解するというのは、大変な労力が伴うということです。
それではどうすれば良いか。
このつまずきポイントに対する対策を見ていきましょう。
合格率を上げる対策①~難しい用語は置き換える・割り切る~
このつまずきを乗り越える対策は「難しい用語は置き換える・割り切る」です。
もう少し詳しく書くと、以下の2点です。
- 簡単な言葉に置き換えてイメージする
- 完璧な理解を求めず割り切って進む
例えば、電子記録債権を例にとると「売掛金・手形の仲間」とイメージする。
これだけでOKです。
他にも、小口現金は「先に渡した現金。でも、現金とは区別」、差入保証金は「敷金」。
このように自分がイメージしやすいように、簡単な言葉に置き換えていきます。
実際これはかなり有効な手段です。
電子記録債権が「売掛金・手形の仲間」というイメージがあれば、仕訳問題でも同じように解けるのでは?と想像できるようになります。
すると、テキスト本文を読んだ段階で完璧に理解できずとも、問題演習を通して理解が進みます。
それによって、だんだんと各勘定科目の働きがイメージで体系化され、すばやく問題が解けるようになります。
こんな勉強法で大丈夫?と思われる方もいるかも知れないですが、大丈夫です。
なぜなら、簿記3級には深く・難しい理解を求める問題はでません。
それよりも、素早く仕訳する能力の方が100倍以上も大切です。
以上から、「簿記特有の専門用語が理解できない」というつまずきに対しては「置き換える・割り切る」が協力な対策となります。
配点の大きな仕訳を苦手としている
簿記3級でつまづく2つ目のポイントは、仕訳を苦手としていることです。
簿記3級の試験において、配点のうち仕訳が占める比重はとにかく大きいです!
まず、下表を見てください。
問 | 出題 | 配点 |
---|---|---|
第1問 | 仕訳 | 45点 (15題) |
第2問 | 証しょう 勘定記入等 | 20点 |
第3問 | 決算 | 35点 |
この表で注目いただきたいのは、第1問と第3問で80点となり、合格点の70点を越えていることです。
第1問は表のとおり仕訳問題そのものですが、実は第3問もほぼ仕訳問題。
第3問では、決算整理仕訳をしたあとに決算書に数値を記入していきます。
つまり、仕訳ができなければ、そもそも得点できません。
このように、簿記3級の合格においては、仕訳ができるかどうかが重要なカギを握っています。
仕訳を苦手とする方に多いのが、各勘定科目のホームポジションです。
例えば、減価償却費・減価償却累計額はややこしいです。
- 減価償却費は費用、減価償却費累計額は資産のマイナス。
- 仕訳は「減価償却費○○/減価償却累計額○○」となる。
ホームポジションとは、減価償却費でいう費用(左)、累計額でいう資産のマイナス(右)のこと。
この2つは、名前が似ていて両方とも負(マイナス)のイメージがあるため、仕訳の左右が思い出しづらいです。
さらに、試験中に時間が限られて焦ってくると、売上・売掛金のような単純なものでミスしやすくなります。
このつまづきを乗り越える勉強法は「仕訳は簡単な用語のホームポジションを意識し、演習を積む」です。
もう少し詳しく書くと、以下の2点です。
- 簡単な用語のホームポジションを意識する
- 網羅的な演習を重ねる
勉強法については、のちほど解説します。
時間が足りていない
簿記3級でつまづく3つ目のポイントは、時間が足りないことです。
「時間が足りない」には以下の2つの意味があります。
- 勉強時間が足りない
- 試験で制限時間内に終わらない
具体的には、このような悩みです。
社会人受験生で勉強時間の確保が難しい。
試験中に第3問の途中で時間切れになってしまう
それぞれ異なる問題に見えますが、実は根底には共通したつまづきがあります。
それは「課題の取捨選択ができていない」ということです。
より具体的にお伝えすると、「頻出分野・解ける問題の見極めが甘い」ことが原因です。
このつまづきを乗り越える勉強法は「時間不足は頻出分野を押さえ、解く順番を工夫する」です。
もう少し詳しく書くと、以下の2点です。
- 頻出分野を押さえ、勉強時間を短くする
- 試験では問題を解く順番を工夫する
勉強法については、のちほど解説します。
合格率を上げる3つの
先ほど「配点の大きな仕訳を苦手としている」でも触れたとおり、第1問・第3問で合格点は取れます。